つづく日々を奏でる人へ

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徐福ちゃんが永遠に来なくても構わない。

 

いまFGOの一部界隈で、ある話題を口にする方が増えています。

それは、徐福の実装はまだか、というもの。

 

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徐福は二年前の夏イベの黒幕として初登場し、その後も水着虞美人のバレンタインシナリオにゲスト出演したり、アクリルスタンドが発売されたり、ファミ通の6周年特集では運営サイドから「私達の想像を越えて愛されるキャラになった」と言及されるなど、一介のラスボスに留まらず、多くのユーザーに強烈な印象を与えるキャラクターとなりました。

かくいう自分も二年前、彼女の在り方に心を真芯から撃ち抜かれた人間のひとりです。

最愛の人の命を終わらせる、ただひとつの目的に殉じた妄執的な女性。

真面目で、不器用で、努力家だけどいつもどこかうまくいかず、歯車が狂ってしまう。

どれだけ歪もうと、どれだけ汚れようとも、最期まで最愛の人の幸福を願い続けた、この上なく純粋な黒幕。

なんて素敵なキャラクターなのだろう、と思いました。

 

それから二年間、自分は彼女を想い続けてきました。いつかふらっとカルデアにやってこないか、いつか最愛の人と再会できる未来が訪れないか。

ひたすらに待ち続けました。

しかし徐福は元々立ち絵すら用意される予定のなかった存在。運営にとってもその人気は想定外すぎたのか、その後、彼女に出番らしい出番が巡ってくることはありませんでした。

 

……インタビューなどでも度々語られるように、FGOには数年先を見越した緻密なロードマップが組まれており、また、一体のサーヴァントを制作するには約半年の月日を必要とします。たとえ実装予定のないNPCから人気キャラが出たとしても、すぐさま行動に移れるものでもありません。

あくまで本筋は、第2部7章に向けて進むメインシナリオ。

その中にあって、奈須きのこさんをはじめとする運営の方々は、限られた時間と予算内でユーザーを喜ばせようと出来る限りの努力を続けてくださっています。不便な点も多々見られるゲームではありますが、自分はいちファンとして、まずこの『運営のたゆまぬ努力』に心から感謝をしています。

 

だからこそ、これでいいのだと思っていました。

これ以上望むべくもないと。

二年前の時点で彼女は十分輝いていた。

これから彼女を想う時は、その勇姿を頭の中で思い返せばいい。それだけで自分は十分に幸せだと。

そんな決意を固めようとしていた、矢先。

 

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それは唐突に。新しい衣装を携えて、目の前に現れたのでした。

今年3月に開催されたバトルインニューヨークの最新版。その看板娘兼、店番係を命じられたのが、他ならぬ徐福でした。

彼女とこのイベントの顔を務めるオデュッセウスは生前の縁もなければ、型月世界における繋がりもない。何の脈絡も伏線もなければそれらしい予兆もなかった。限りなく唐突な登場。

それでも自分は、この再会に心が躍りました。

もう二度と会えないと思っていた、思い出の中に大切にしまうつもりでいた存在にもう一度会えた。何より、ユーザーを喜ばせたい一心で、運営が多くの手間と労力を割いてこのサプライズを仕掛けてくれたことが嬉しかった。

バトルインニューヨークは基本的に新規サーヴァントの実装はない、運営にとっても恐らく『次への充電期間』に近いイベント。その中でピックアップされている訳でもない徐福をわざわざ専用のボイスを録ってまで登場させてくれた心意気に、胸が震えました。

 

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その後、今月頭に配信された6.5章トラオムにおいても徐福は新たな立ち絵で登場。これまでとは違う角度で主人公達の旅に関わり、その活躍は再び多くのユーザーの心を掴むこととなりました。

それを踏まえての、今回のイベント。

多くの方が記憶に新しい徐福の実装を望む気持ちも痛いほどに分かります。

 

ですが一方で自分は正直、もういいな、とも感じています。

元々立ち絵すら存在しない汎用ゴーストでしかなかった彼女が、魅力的なデザインを与えられ、ひとりのキャラクターとして芽吹き、これだけ多くの人たちに愛され、多くの出番を貰えた。それだけでもうお腹いっぱいで、とっくに幸せの許容量を超えているのです。

想いが尽きることはなくとも、それ以上に、もう十分に夢を見せてもらいました。

叶う筈のない夢を叶えてもらえたのだから、もう何も望むものはない。もしこの先、彼女が実装される日がくるとしても、それは遥か遠い未来の話でいい。

これまで、二年間待ってきたのだから。

もう二年や三年待つくらい、何てことはありません。

 

運営はきっと彼女にとって最適な機会と、最高の舞台を用意してくれている。

緻密なロードマップの隙間を探して、その『いつか』を既に決めていて、あとはそれを待つだけなら、いちユーザーの自分にこれ以上言えることは何もありません。

 

だから自分は、永遠に徐福が来なくてもいいのです。

もう十分に幸せは頂きました。

もしたまたまこの記事に行き着いた中に、彼女の実装を待ち遠しく思う方がいたら。少し深呼吸して、いったん長い目で見てみるのも悪くないのではないでしょうか。楽しみは大概、待てば待つだけ叶った時の喜びも増すものです。

 

そしてもしこの先で。

本当に彼女がきた時は、その時こそ「ありがとう」と「おめでとう」と、ありったけの気持ちを言葉にするべきなのだと思います。

どうせ口にするならプラスの気持ちを。

どうせ待つのならワクワクして待つ方が、遥かに気持ちいいはずです。

だから自分は待ちます。

何日だろうと何ヶ月だろうと何年だろうと、自分の中の気持ちが変わらないと信じる限り、来るかどうかも分からない彼女をこれまでも、これからも。

ただ、待ち続けるだけです。